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より確率を上げる為に
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初めての顕微授精が失敗に終わり、なかなか2回目の未妊治療へと
向う気力が起きなかった。
一般的に妊娠が分かるのは月よりの使者さんの到着が遅れ、
若しかしたら?とか、使者さんの到着の遅れが尋常では無いために
産婦人科を受診したり、検査薬で試したりした結果
初めて妊娠が分かるというパターンだと思う。
私たちがそれと違っていたのは、受精した小さな命を自分の体内に戻した時点で、
既に自分の体には小さな命が宿っていることを自覚しているからだ。
TESE終了後、医師からの説明を受けて、着床する確率が10%ほどしかないと、
頭で分かっていても、心は受精卵を戻した時点で否応無く
妊娠していると考えてしまう。
本来なら着床の壁を突破し、その上で妊娠と言えるのだが、
頭で理解していることと心は全く違う風に感じているわけで、
その現実を受け入れることがなかなか出来ず、感情が堂々巡りをし、
彷徨っていた。
それでも時間が悲しみや傷を癒してくれ、徐々に次回のチャレンジを
いつ頃にするか考えるようになっていった。
妊娠する為には何でもやっておきたい。後悔はしたくない。
そんな思いで、次のチャレンジに向けて妊娠しやすい身体作りをしておこうと思い、
様々な情報をネットで収集していた。
その中でサプリメントによる栄養療法というものがあることを知り、
幾つかの病院(多くは心療内科・産婦人科はごく少数(ARTを扱う病院では皆無))が
取り入れているのを知った。
その中の病院のサイト(心療内科)の体験談には、体外受精の為の卵作りのために
取り入れたら質のいい卵が採れたと書かれていた。
それで興味を持ってしまったのだが、我が家の治療の方針は、
どんな小さなことでもサミットで話し合い、結論を出すということでなので、
ダーに相談してみた。
ダーは、
「とりあえず栄養療法をしている病院に問い合わせをしてみよう。
それで一度カウンセリングを受けてもいいと思うよ。
そのサプリメントを摂ったことで質のいい卵が出来て妊娠に繋がる関連性が、
果たしてあるのかも聞いてみたいからね。
でも、A病院があくまでも治療を受ける病院なのだから、
主治医であるDr.の意見を無視して勝手に始めるのはいただけないと思う。
栄養療法をやっている病院のカウンセリングを受けてからでもいいから、
一度、A病院のDr.に意見を聞いてみて、それから取り入れてみるか
否かの判断材料にしてみた方がいいんじゃないかな。」
と、彼の意見を言ってくれた。
そこでとりあえず該当した病院に問い合わせをし、カウンセリングを先に受け、
その上でA病院に問い合わせすることに決めた。
カウンセリングは、栄養療法についての説明や、
私自身の細かな栄養状態を知るために、血液検査を行い、
その他にも身長や体重、体内の水分量等、かなり細かな検査となった。
この検査結果を踏まえ、かなりの量と値段のするサプリメントを勧められた。
医者が処方したサプリメントなのだから、信頼のおける質の高いものとは思うが、
値段も高額なこともあり、カウンセリングを受けた中で疑問に思えるものもあり、
一旦保留にし、A病院に卵の質とサプリメント摂取の関連性についての
問い合わせを行った。
A病院からの回答は、質の良い卵を得るには排卵誘発方法が
一番重要であるとのことだった。
サプリメント等を取って色んなことを試してみたいという気持ちは分かるが、
これと言って効果を期待できるものではないので、むやみに取る必要はないし、
勧めない。と、返事が返ってきた。
そこでまた、二人でA病院の回答を踏まえて話し合った結果、
栄養療法は見送ることにし、
普段の食生活の更なる見直しからスタートすることにした。
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