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blueneko Inspection Result

検査結果 無精子症確定

bluecat

悪夢

朝方に嫌な夢を見た。
ダーの検査結果が出るまであと1ヶ月。
それだけ気になっているのか、結果が出るのが怖いのか検査結果の夢だった。

場所は何故か診察室じゃなく、社員食堂のような場所で、
人がたくさんいてざわざわした所だった。

何故か主治医のM先生ではない知らない若い医師がダーではなく私を呼んだ。

分厚いカルテの束を見ながら
「M先生が、こんなに分厚いカルテを書くの珍しいな。事細かに書いてありますね。」
と難しい顔をしながら私に言う。
私もまた「前回の診察の時に色々聞いたからでしょうかねぇ?」と
的外れな受け答えをしていた。

そしてやがてその若い医師は「残念ですが、諦めてください。」と私に告げた。
私は悲鳴をあげていた。声にならない悲鳴だった。

しかし、傍にいるダーは医師の言葉が聞こえなかったのか、
自分のことではないというような顔をして
悲鳴をあげる私の顔を不思議そうに眺めていた。

泣きながら妙にざわついた場所から立ち去ろうとしたら看護士さんらしき女性が、
「M先生がカルテにたくさん記入する時って
 たいていはよくないパターンなのよね。」と呟くのが聞こえた。

そこで目が覚めた。あ、夢だった。まだ検査結果出てなかったんだっけ。
それだけ気にしていることか・・・。と
汗をびっしょりかいていたのでそれをぬぐいながら呟いていた。

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bluecat

打率三割

検査結果を聞きに病院に出かけた。
なんともいえない緊張感の中、車に乗って病院に行った。

しばらく待った後、呼ばれたので診察室へ入った。

結果、やはり非閉塞性無精子症と診断された。
前回受けた検査の内容は一般的な健康診断と同じような血液・尿検査、
ホルモン検査・精液検査そして染色体検査だった。

一般的な血液・尿検査の結果は全て正常値のため、
M先生は全くの健康体だねと仰った。

しかし問題だったのがホルモン値。
PRL(プロラクチン)値は、正常範囲。
LH(黄体形成ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)は精子を作るために
必要なホルモンでこれが異常に高い数値だった。
テストステロン値は正常範囲内だったものの少なめの値。
つまりぎりぎり正常範囲内の数値だった。

M先生のご説明によると、脳は一生懸命、精子を作れ〜!という命令を
出しているのにも関わらず、その生産工場である精巣が反応していない。
つまり体内でダーの身体自らがホルモン療法を行っているのに
上手く精子が作られてこないということで、やはり思春期に何かトラブルが
あったんだろうと推測なさっていた。

最後に染色体検査結果だったが、これは文句なしに問題なしだった。
これに異常があると妊娠することがかなりの確率で難しい状態になるのを
知っていたので、気にしていたのだったが、問題なしでほっとした。

これもM先生は詳しく説明をしてくださっていた。
懐かしい生物の授業を聞くようで、楽しかった。
そして何よりも感動したのが、ダーの染色体を見れたこと。
これはめったに拝めないのでこれがダーの染色体か〜としげしげと眺めていた(笑)

結果、TESEをして精巣内の精子を探すことになった。
既に最初の精液検査の結果でうすうす分かっていたことだったけど、
他に方法はないんだろうか?と感じていた。

M先生の説明によると、見つかる可能性は20%〜30%とのことだった。
具体的にどういった手術をするのかの説明もあり、実際、写真も見せて頂いた。
ちょっとショッキングな写真だったけど・・・。
隣に座っていたダーはフリーズしていた(笑)

先生は、20%〜30%の可能性だけど、
やってみないことにはいるかいないかは分からない。こればっかりはね。と仰った。
やらないのであればここでおしまいになるし、
やってみてあればICSI(顕微授精)にすすめるよ。と仰った。
どうする?と聞かれて、かなりダーは迷っていたようだったが、
「やってみます。」という答えを出してくれた。

当初、自然に任せてと言い張っていた彼からすると準備も覚悟も無く一足飛びに
未知の世界に踏み入れるようなものだ。
顔色から見ても躊躇しまくっているのは手に取るように分かった。

かなり先までTESEの予約が入っていることを告げられたため、
この先々埋まっている予約を見てそれまでに考えて、
気持ちが定まった時にまた待つというのを彼は避けたかったんだと思う。

そして仮予約という形で10月にTESEを受けることに決めた。

この間にじっくりと二人で話し合っていくことになりそうだ。
ダーは、やれるだけやってみて後悔の無いようにしたいと
話してくれてたが、本当にそれでいいのか迷っているようにも見えた。
だから、二人でじっくりと話し合っていかなければならない。

10月までまだ時間があるから、音譜ちゃんのために、
さらに何か出来ることはないかと模索してみようと思った。

帰りに某有名子授け神社に立ち寄った。
そこにはたくさんの切実な思いを書いた絵馬が奉納されていた。
未妊の原因が分からなかった時は、大変だなと思っていたのだが、
まさか自分たちがこの立場に立つとは夢にも思わなかった。
しかし、希望は決して捨てまいと思う。
お守りを買い、きっと大丈夫だよと励ましあいながら帰途に着いた。

坂の上の世界 しろくろねこの家
Copyright(C) Tomo Siraki
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