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精子回収法
hanepen

TESE・MESA・PESAによる精子回収法

男性未妊の検査」のページでも触れましたが、精液検査の結果、
無精子症や無精液症、高度乏精子症と診断された場合、
精子の製造工場である精巣の造精機能がどの程度なのかを調べる為に
精巣組織検査(精巣生検)を行います。
しかし、最近ではICSI(顕微授精)が行われるようになっている為、
精巣生検で精子が見つかった場合、見つかった精子を無駄にしない為にも、
精巣生検単独で行われることは少なくなり、ICSIの為に
TESE(精巣内精子抽出術)として行われることが多くなっています。

また、無精子症や高度乏精子症のような造精機能障害だけでなく、
精子の通り道に障害がある精路通過障害や勃起障害や射精障害が原因の
性機能障害で精子を射出精液で回収することが難しい場合、
奇形精子症や死滅精子症等で、射出精液から採取した精子では
人工授精や体外受精による治療が難しい場合も
精子回収の為に特殊な方法を用いて精子を採取する方法が採られています。

そこで特殊な精子回収方法とはどんな方法なのかを調べてみました。

bluecat MESA(精巣上体精子吸引法)
bluecat PESA(経皮的精巣上体精子吸引術)
bluecat TESE(精巣内精子抽出術)
  catgreen Multiple Biopsy
  catgreen Micro Dissection(顕微鏡下精巣内精子採取法)
bluecat TESA(経皮的精巣内精子吸引法)
bluecat 直腸内電気刺激法(電気射精法)
bluecat 前立腺マッサージ
bluecat

MESA(精巣上体精子吸引法)

MESAとは「Microscopic Epididymal Sperm Aspiration」の略語で、
訳すと、「顕微鏡下で精巣上体の精子を吸引」となり、
精巣上体精子吸引法・精巣上体精子吸引術と呼ばれています。

<適応となる症例>

精管などの精子の通り道を再建させる方法が無い場合や勃起障害・射精障害等
例:閉塞性無精子症、射精障害、精路閉塞、精路狭窄、精路欠損、パイプカットなど

<方法>

腰椎麻酔の後、陰嚢を切開し、顕微鏡下で精巣上体被膜を切開します。
露出した精巣上体管からカテーテルなどで精子がいる内容液(精巣上体管液)を
吸引します。
※ 腰椎麻酔を行う為、病院によっては入院が必要となります。

<メリット>

精巣内にいる精子よりも状態の良い精子を多量に取れ、
1回の手術で充分な量の精子が凍結できます。
手術時間は短めで閉塞性無精子症ではほぼ100%回収可能です。

<デメリット>

陰嚢を切開するため鈍痛が残ります。
精巣網閉塞は適応できません。
bluecat

PESA(経皮的精巣上体精子吸引術)

PESAとは「Percutaneous Epididymal Sperm Aspiration」の略語で、
訳すと、「精巣上体の被膜から精子を吸引」となり、
経皮的精巣上体精子吸引法・経皮的精巣上体精子吸引法と呼ばれています。

<適応となる症例>

MESAと同様で、精子の通り道を再建させる方法が無い場合に適応されます。
例:閉塞性無精子症、射精障害、精路閉塞、精路狭窄、精路欠損、パイプカットなど

<方法>

局所麻酔の後、陰嚢皮膚より直接精巣上体に針を刺し、
精子がいる内容液(精巣上体管液)を吸引します。

<メリット>

陰嚢を切らずに皮膚の上から精巣上体精子が採取可能です。
費用がMESAと比べると安いです。

<デメリット>

精子回収率は60%〜70%といわれ
良好精子が取れる確率は20〜30%です。
MESAに比べると採取できる精子数が少ないのが
欠点と言われています。

※ しかし、ICSIの進歩により受精等の成績が良くなってきている為、
   MESAに比べると迅速で簡易且つ安全な方法であることから
   採用されることが多くなってきているようです。
Doctor
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TESE(精巣内精子抽出術)

TESEとは「Testicular Sperm Extraction」の略語で、
訳すと、「精巣の精子を抜き取る」という意味になり、
精巣内精子抽出法(精巣内精子抽出術)、
又は精巣内精子採取法(精巣内精子採取術)といいます。

<適応となる症例>

TESEは開発された当初は、MESAなどによる精巣上体から
精子が採取できない場合のみに適用されていましたが、
現在ではその適用が拡大されています。

例:無精子症(閉塞・非閉塞とも)、重度乏精子症、重度の射精障害、
   重度の精子奇形症、重度の精子無力症、精子死滅症など

<方法>

TESEの場合、二通りの術式があります。

<Multiple Biopsy>
従来のTESEの術式で、マルティプルバイオプシーといいます。
局所麻酔下で行います。(※ 病院によって麻酔方法は違います)
陰嚢を切開した後、白膜下を切り、ごく少量の精巣組織を採取します。
採取された精巣組織は顕微鏡で精子の存在を確認します。

※ 1ヶ所の切開で精子が見つかればその場で終了となりますが、
精子が見つからない場合は、両方の精巣で最大6ヶ所切開する場合もあります。

精子が見つかった時点で、糸で縫合して終了となります。
また、病院によっては、精巣組織評価を行うこともあります。

病院にもよりますが、局所麻酔の為、日帰りが可能です。
術後、血腫形成、精巣萎縮、血中テストステロン値の低下などの合併症を
伴うことがあります。
また、精巣組織をランダムに採取する為、
Micro Dissection(顕微鏡下精巣内精子採取法)と比べると
精子や精子細胞が見つかる可能性は低くなります。

<Micro Dissection(顕微鏡下精巣内精子採取法)>
手術用顕微鏡を使用しての術式で、マイクロダイセクション、
略語としてMDといいます。
精子を作っている精細管の内、精子が作られている可能性が
高い精細管の太さは
太い・白濁している・蛇行している等の特徴があり、
XY染色体
逆に精子が作られていない場合や、精細管内が詰まっている場合は
細くなっています。
このことを利用して精子を作っていそうな太い精細管を探し、
精細管を採取する方法です。
最近では、精巣のダメージが少なく、従来法であるMultiple Biopsy法よりも
精子が見つかる確率が高い為、最近では広く採用される術式となっています。

しかしながら精巣内精子が見つかる確率は、精巣内の環境次第ですので
MDによって必ず精子が見つかるということではありません。

また、手術用の顕微鏡を導入した医療施設が高額であること、
手術用顕微鏡下での行う手術の為、顕微鏡下手術に熟練した専門医が
現時点では少ないことから、
実績のある医療機関で手術を受けることがポイントとなります。

腰椎麻酔又は全身麻酔下で行います。
陰嚢を切開した後、手術用顕微鏡を用いて精子の存在する可能性が高い
精細管を採取します。
採取された組織をばらばらにし、精子又は後期精子細胞を探します。

腰椎麻酔、若しくは全身麻酔による術式ですので、病院によっては
入院が必要となります。
Multiple Biopsy法と比べるとランダムに精巣組織を採取しない為、
合併症を伴いにくいようです。

<メリット>

精巣上体に精子がいない場合の唯一の方法です。
また、無精子症や無精液症以外の精路欠損等の精路通過障害や
射精障害等の全ての症例に対して適応可能です。
成熟精子がいない場合でも精子細胞が採取できる可能性があります。

<デメリット>

精巣自体を切開するので術後の痛みはMESAより長いです。
精巣上体から採取した精子よりも未熟です。
精子や精子細胞以外の細胞も混入します。
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TESA(経皮的精巣内精子吸引法)

TESAとは「Testicular Sperm Aspiration」の略語で、
訳すと「精巣から精子を吸引」となり、
経皮的精巣内精子吸引法・経皮的精巣内精子吸引術と呼ばれています。
現在ではほとんど行われていない方法です。

<適応となる症例>

MESAを行っても精子が回収できない症例、精巣上体欠損、
非閉塞性無精子症でも精巣生検で精子の存在が確認された症例

<方法>

PESAと同じように陰嚢の皮膚を切開しないで
直接皮膚の上から精巣を針で刺し、精巣の組織を吸引します。

<メリット>

TESEに比べて深い位置の精巣組織を採取することが可能です。
PESAと同様の方法であることから痛みが少ないです。

<デメリット>

TESEと比べると採取できる精巣組織の量が少ないです。
精子を回収する確率が低いです。
ランダムに針を刺すので血管損傷の危険があります。
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直腸内電気刺激法(電気射精法)

直腸内に電極を入れて前立腺部を刺激し射精を促す方法です。

<適応となる症例>

逆行性射精や脊髄損傷などの射精障害に適応されます。

<方法>

直腸内に電極を入れ、前立腺部を電気で刺激し、射精を促します。
通常、麻酔下で行われます。

<メリット>

陰嚢を切開する必要がないため、繰り返し行えます。
費用が他の手術扱いになる精子回収術に比べ安いです。

<デメリット>

採取出来た精子の運動率は低めです。
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前立腺マッサージ

直腸検診と同じ要領で肛門に指を入れ腸壁を介し前立腺を刺激して
射精を促す方法です。

<適応となる症例>

逆行性射精や脊髄損傷などの射精障害に適応されます。

<方法>

直腸検診と同じ要領で肛門に指を入れ腸壁を介し前立腺を刺激します。

<メリット>

直腸内電気刺激法に比べて容易な方法です。

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